期 間:2011年7月13日―9月14日
場 所:大船渡市内
参加人数:85名(全9陣)
企画実施:認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン
全9陣に分かれての派遣でしたが、どの陣も初日に現地視察を行いました。それは東京で暮らす私たちの想像を超える光景でした。
初めて自らの目で確かめた震災の傷跡にとまどいを隠せない学生も多く、初日のミーティングでは「流されていた思い出の品々をみて言葉につまってしまった」「力になれることがあるだろうか」といった声があがりましたが、実際に現地を見て各々考えを巡らせたことで、より一層活動へのモチベーションがあがりました。
おしゃべりを楽しんだり、少し外に出て休んでみる…ベンチがある空間には人が集まります。住人のみなさんと一緒にベンチを作成することで、その作業場では交流が生まれました。完成したベンチは仮設住宅団地内に置かれ、日常生活だけでなく団地内で開催される行事にも使用されていました。
また、ベンチの利用に関する聞き取り調査を行い、仮設住宅の扉を一軒一軒まわりました。時間をかけて丁寧にこの調査を行うことで、貴重なお話を聞けた学生もいました。
仮設住宅入居後初となる、団地規模の行事として夏祭りや納涼会を行いました。民謡保存会大船渡支部の方々が演奏をしてくださったり、みんなで盆踊りを踊ったりと、私たちを含めこれまで顔見知りではなかった人達が、一緒になって楽しいひとときを過ごすことができました。
住人の方々の交流が目的ではありましたが、わたしたち学生も住人の方とじっくりとお話ができ、「人と人がつながることの嬉しさ」、そしてそこで生まれるものを実感することができました。
みんなでつくったベンチに集まって休みながらお茶とお菓子、そしておしゃべりを楽しむ「こびるの会」。自慢の手料理やおすすめのおつまみなどを持ち寄る食事会「はまっぺし」。これらの会は、新たな交流が生まれたり、お互いをよりよく知ることができる機会となりました。
私たち学生も、住人の方から震災や普段の生活に関する様々な話をお聞きし、改めて自分たちの活動について考えるきっかけとなりました。
上記以外の活動の一部が、学童保育支援と大船渡中学校での学習支援です。学童保育支援では、震災の影響で本来の指導員である保護者の方々の手が足りなくなってしまった為、学生が指導員として子どもたちと一緒にグループ遊びなどをしました。
学習支援では、放課後の自習時間を使って一生懸命勉強する中学生のサポートをしました。大学生の中には塾講師のアルバイト経験がある人もいて、指導法を試行錯誤しつつもやりがいが感じられる活動でした。
期 間:2012年3月12日―3月27日
場 所:大船渡市越喜来地区、長洞仮設住宅団地
参加人数:10名(全2陣)
企画実施:認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン
協力団体:特定非営利活動法人 越喜来の景観形成と住民交流を守る会 リグリーン
活動の初めに現地の視察を行いました。
2011年夏には無かったプレハブの商店街など、復興が進んでいると感じる場面もある一方で、未だに変わっていないところも多いと感じた学生が多かったです。
長洞仮設住宅団地の空き地を利用しコミュニティーファーム「友結ファーム」の整備を行いました。この畑は、地域住民の方々が組織する「友結ファーム委員会」が管理・運営を行うものです。このことは2011年の夏よりもコミュニティ活動が盛んになってきたことのあらわれでもあります。私たちはここで暮らす方々の主体的な活動のサポート役として、作業に参加しました。
「友と友を結ぶ」、友結ファームの名前の由来通り、始めは見知らぬ同士だった方々も、開墾が進むにつれて「ここには何を植えようか」といった会話を楽しんでいる様子が見られました。そしてわたしたち学生との再会や交流も楽しんでくださり、とても嬉しく思いました。
今後は、休憩スペースや作業小屋などを設置し、より多くの笑顔が集うにぎやかなコミュニティーファームを目指していきます。
越喜来地区の方々により設立されたNPO法人リグリーンは、津波の浸水区域の景観を整えたり、住民交流の場をつくったりと、新しいまちづくりへの架け橋となる活動をする団体です。
浸水区域を牧草地に変え、そこに綿羊を放牧することで景観美化や土壌保全を目指す「越喜来めん羊飼育プロジェクト」の活動に私たちも参加させていただきました。牧草の種まきの前に必要な、拡散しているガラス破片などを取り除く作業のお手伝いをしました。