期 間:2012年5月2日―5月6日
場 所:大船渡市長洞仮設住宅団地
参加人数:4名(全1陣)
企画実施:認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン
今回の現地視察で強く感じたことは「東京との認識のズレ」です。
温度差、ともいうのでしょうか。正直、東京で暮らすうちに何となく「復興は進んでいるんだ」という感覚になっていましたが、現地を見て、まだまだここで暮らしてきた人達の未来の風景が想像できない部分がありました。
自分たちの認識の甘さにも反省しつつ、東京の学生として何ができるのかを考えたいと思いました。
復興は自動的に進むものではなく、そこに人がいて、思いがあって、それがまた人を呼んで…そうやって少しずつ層をなしていくものなのだろうと思います。
5月2日に行われた種まきでは、事前に告知をしたこともあり、多くの方が作業をしていました。知恵をみんなで共有したり、休憩時間にはおしゃべりを楽しんだりといった光景が見られました。こういった共同作業や交流が、課題である「自主的で自立したファームの運営」につながっていけばと考えています。
コミュニティ形成の段階に合わせて、サポートのかたちや程度は変化するものということを改めて実感しました。
ファームの現状を把握し、GWの間でどんな活動ができるかを話し合った結果、作業の参加者募集を呼びかけるポスターを制作しました。
3月の開墾時と比べて環境の整備(シカの防護ネット、門の設置、道具小屋の建設、休憩スペースの整備など)は進んでいました。ですが、もっと多くの人が集うコミュニティーファームにしたいということになり、一体どんな情報を伝えればよいのか意見を出し合いました。意見を深く掘り下げていくうちに、「友結ファームがコミュニティ形成においてどんな役割を果たすのか」「ファームの認知から参加まで、どんなステップが必要なのか」といった、活動の軸となる部分を確認することができました。
そして「最も伝えたいことは何か」を考え、ストレートに「募集!」の文字を掲げたポスターが出来上がりました。さらに「ファームに集まったみんなと過ごす楽しい時間」のイメージを伝える為のイラストも描きました。こういった試行錯誤の上に、濃く実のある活動が成り立つのだと勉強になりました。
わたしたちの活動は「住人の方々の交流の場をつくりコミュニティ形成の支援を行う」ことを目標としています。しかし、わたしたちが復興に関わることで「わたしたちと住人の方々」のあいだにもつながりが生まれます。
「また一つ良い『出逢い』が増えました」
「また夏に逢えるのを楽しみにしています」
これは地元の方からの言葉であり、私たち学生の気持ちでもあります。
活動内容をより詳しくまとめたページがこちらよりご覧になれます。
ひとりでも多くの方々に私たちの活動を知ってもらいたいと考えて制作しました。
昨年に引き続き、2か所の仮設団地で自治組織主催の夏祭りが開催されました。Youth for Ofunatoでは、事前告知の為のポスターやチラシを作成・配布し、会場の装飾や看板などは住民の方々と共に作成しました。
当日は人手の足りない出店での手伝いや、会場設営・片づけなどの運営補助を行いました。また、私達自身も盆踊りやちょっとしたおしゃべりによって、地元の皆さんとの交流を楽しむことができました。
そして何より、住民の皆さんの「自分たちの手で団地を盛り上げていこう」という熱気が伝わる夏祭りでした。
長洞団地隣接の共同菜園「友結ファーム」(12年3月開墾)は、のびのびとした原っぱが広がり仮設団地の居住空間とは違った風景が広がっています。農作業をする人のみならず、団地全体の憩い・交流の場としての活用が期待される空間です。
住民の方々による「長洞友結ファーム委員会」が中心となって管理と運営を行っています。しかし畑以外のスペースの整備には人手が足りず、草などが生い茂って、畑作業をしない人々にとっては立ち寄りづらい場所になっていました。
そこでYouth for Ofunatoでは、1.ファームの良さを引き出す(草刈り、入口の門を改良)2.良さを知ってもらう(作業メンバー募集の呼びかけ、持ち寄り食事会)を、仮設団地で暮らす方々と一緒に実施しました。
中でも、入口の門の改良、あずまやの建設、持ち寄り食事会は仮設団地のお父さんお母さん方主導のもと進められ、「長洞仮設団地パワー」を実感させられました。
特定非営利活動法人 越喜来の景観形成と住民交流を図る会(略称:NPO法人リグリーン)の活動に計6回参加し、テントの設置や花壇の整備、めん羊の牧区整備などのお手伝いをしました。
また、「ヨソモノである学生」という視点から、リグリーンへの素直な感想や提案をする機会を頂きました。住民の方同士が意見を交わすきっかけになればとの思いを込めて「リグリーンわいわいマップ」を作成しました。
越喜来の名所も案内して下さり、皆さんのふるさとへの思いの強さが伝わってきて身が引き締まる思いでした。そして交流会に招待していただくなど、温かく私達学生を迎え入れてくださり、ありがとうございました。
※2012年、夏の活動内容をより詳しくまとめた特設ページはこちらよりご覧になれます。ひとりでも多くの方々に私たちの活動を知ってもらいたいとの思いで、別ページを制作しました。是非、お立ち寄りください。
期 間:2012年12月25日―12月30日
場 所:大船渡市 杉下仮設住宅団地
参加人数:4名(全1陣)
協 力:杉下仮設住宅団地自治会(刈谷俊彦さん)、大船渡市役所企画調整課(新沼さん)
震災から1年9カ月が経ち、もうすぐ二年を迎える中、変化するニーズを知るために聞き取り調査を実施しました。 仮設住宅団地支援員の方、仮設住宅団地の住民、コールセンター(各仮設住宅団地の住民から困っていることなどを聞くところ)、友結ファーム委員会の方に協力を頂きました。結果、主に2つの問題が起きていることに気づきました。
1つ目に、精神的な問題を抱えている方が増えてきたということです。震災から一年目は、日々を活きることに精いっぱいでした。しかし、2年目に入り、少し落ち着いてきたこの時期に、先のことを考えると、また違った問題が現れました。仮設から出られずに見通しがつかなくなったり、近隣とのトラブルであったり、日常に戻る中で不安を抱えている人が多くいるのではないかと感じました。
2つ目に、被災者の間で格差が広がっていることです。仮設住宅とみなし仮設の格差や、仮設から出られる人と出ていくことが出来ない人の格差です。
杉下仮設住宅で2回、崎浜地区にある仮設住宅で1回、計小中学生20名の子どもたちに仮設住宅の集会場で学習支援を実施しました。これらの学習支援の目的は、学習効果の向上を図るよりは、震災で影響を受けた子どもたちの心のケアを行うことでした。学習と遊びのアクティビティを取り入れ、普段はあまり触れ合うことのない大学生と関わる中で、少しでも震災によるストレスなどを軽減できればとの思いで行いました。
昨年の夏から繋がりのある子どもたちの笑顔を見て、たくさん癒され、たくさんの元気をもらいました。
期 間:2013年3月7日―3月22日
場 所:大船渡市内
参加人数:11名(第1、2陣)
企画実施:カリタスジャパン大船渡ベース
①漁業支援
②お茶っこ(地域の方々との交流)
③在宅訪問
④福祉施設でのお手伝い
⑤社会福祉協議会から依頼のお手伝い(瓦礫撤去、引っ越しの手伝い)
⑥仮設住宅訪問、視察
カリタスジャパン大船渡ベースへの派遣は初めてでしたが、色々な活動に携わることが出来、また、ベースにいらっしゃるスタッフの方々や各地から集まったボランティアの方々との交流も深められました。
派遣期間中に3月11日を挟んでいたこともあり、私たちYouth for Ofunatoメンバー、そして参加してくださった方々にとって、二年経った今、改めて震災について、そして大船渡のために何が出来るのかを考えるきっかけになりました。
初めて大船渡に訪れた参加者やメンバーからは、「自分が思っていた現状と自分の目で見た大船渡の復興の状況は異なるものだった。」「ボランティアにも色々な形が有り、様々な面から復興支援に携われるという事が分かった。」という感想もありました。自分の目で見て考えることが復興支援の第一歩なのかもしれません。